理事長からのごあいさつ

世界に羽ばたき、交わりあう子どもたちと教師のために
写真 青島から子どもたちが来ました。日本の子どもたちとの合同練習を楽しみに。扉の向こうから軽快なスイングジャズが聞こえます。心地良いリズムを頼りに扉を開くと教室で子ども達が吹奏楽の練習をしていました。指導者は日本の高校の先生、中国の子どもたちと日本の子どもたちが一緒にグレンミラーの曲を演奏しているのです。素晴らしい光景です。ただ、子どもたちは、親しく話をしているのに不便そう。言葉が壁になっているのです。残念です。
 いま、折角の機会を得て、日本の大学に留学するのに、日本に来てから日本語学校へ入って一年間勉強することになっています。その間は専門分野の学問が遅れます。大学の先生も本人も大変な一年となります。子どもの間に留学先の言語が事前に修得できれば、寂しい思いもせずに能力を伸ばせるのに。
 日本へ技能実習に来ている外国人たちも言葉の壁は深刻です。日本に来るのに高価なお金を使っている人たちもいます。言葉の壁から日本の社会に溶け込めずにいる人もいます。日常会話が臆せず話せるようになれば、もう少し事情は違うでしょうに。
 これからの社会を創るためには、国境を越えてお互いの文化・伝統を理解し、それを基礎にして思考を高めることが必要だと常々考えていました。多文化共生社会です。このことは世界の未来を築いていく子どもたちには極めて大切なことです。それ以上に、学校などで教育を施す教師にこそ他民族・他国の文化への広い見識が必要です。教師と未来を作る子どもたちとが織りなす美しい絨毯が文化となって華を咲かせるのです。
 今までの日本社会では、地域や住民を含めた裾の広い取り組みが少なかった、微力ではあるが多文化共生社会を創り上げるお手伝いしたい。そう思って多くの人々が活動をしています。私たちは、そうした人々の想いの集約として「国際教育支援機構(I E S O)」を立ち上げました。そして、世界に羽ばたく子どもたちが多様な教育交流を行えるよう活動を続けています。
 2020年に入り、COVID-19の影響で子どもたち・人々の国際的な交流が困難になっております。I E S Oは、それを乗り越えるために、最近、インターネットを活用した「日本語サロン」を始めました。
 多くの方々のご協力とご支援をお願いいたします。

一般社団法人 国際教育支援機構
International Education Supporting Organization
理事長 西澤 清

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